超硬工具の値上げと、原材料価格

2022年超硬工具値上げ

2022年5月、住友電工が超硬工具製品の約15%値上げを発表した。
https://www.sumitool.com/news/info/info-220513.html

同社は2018年2月にも、10%の値上げが実施している。
https://sei.co.jp/company/press/2018/02/prs014.html

値上げの理由に「原料価格の高騰」を挙げており、住友以外の超硬メーカーも追従するとみられる。

超硬合金の原材料

超硬合金は、タングステンカーバイド(WC80%)とコバルト(Co20%)を混合して焼結したもの。
超硬合金の価格には、タングステン(W)の原材料価格が大きく影響する。

タングステン鉱石からタングステンカーバイドへの製造工程は以下
①鉱山から採れる鉱石は、灰重石(シーライト:CaWO4)や鉄マンガン重石(ウォールフラマイト:Fe Mn WO4)
②採掘した鉱石を租粉砕し、三酸化タングステン(WO3)が65%以上の精鉱とする
③WO3を精錬しAPT(パラタングステン酸アンモニウム)
④APTを還元しタングステン粉末
⑤タングステン粉末と炭素粉末を混合し、タングステンカーバイド粉末となる。

市場で取引される原材料としては②WO3精鉱、③APT。あるいはFW(フェロタングステン:鉄とWの合金)。
日本には、APTの形で輸入されることが多い。

参考
タングステンの原料(https://www.nittan.co.jp/products/tungstennogenryou.html

APTの価格推移

過去5年間のAPTの価格推移を確認すると、2018年をピークに低下、2021年から再び上昇し、2022年6月現在は2018年のピークと同水準にある。
※世界の出来事:2018年中国の輸出規制、2020年コロナ流行、2022年ウクライナ戦争

参考
EU相場(https://g6m.com.au/tungsten/the-market/
中国相場(http://news.chinatungsten.com/en/tungsten-product-news/146106-tpn-11055.html
※MTU単位とは(http://www.jtmia.com/Others/N1-10-1-0HP.html

タングステンカーバイドの製造工程

日本において、APTを輸入加工し、タングステンカーバイド(WC)を販売している企業は「日本新金属」「アライドマテリアル」等。
製造工程は、APT(パラタングステン酸アンモニウム)をタングステン粉末に加工し、炭素粉末と混合しタングステンカーバイド粉末となる。

参考
超硬合金の製造工程(https://www.allied-material.co.jp/techinfo/hard-metal/process.html
タングステンカーバイドの製造工程(https://www.allied-material.co.jp/techinfo/tungsten_carbide/process.html
タングステン・モリブデンの製造工程(https://www.allied-material.co.jp/techinfo/tungsten/process.html
2006年タングステンの需要・供給・価格動向等(https://mric.jogmec.go.jp/wp-content/old_uploads/reports/resources-report/2006-07/MRv36n2-10.pdf
タングステン・モリブデン工業会(http://www.jtmia.com/index3.htm

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