転造タップ

転造タップとは

転造タップとは、めねじを加工する工具。
切削タップに対して「非切削タップ」、転造(rolling)から「ロールタップ」、塑性加工であることから「盛上げタップ」、切りくず排出用の溝が不要なことから「溝なしタップ」とも呼ばれる。

転造タップのメリット

・切りくずが発生しない(タップ加工の主なトラブル要因である切りくず排出の不安定さが解消できる。)
・切削タップと比較して折れにくく長寿命
・切削タップと比較して加工時間が短縮

転造タップのデメリット

・切削タップと比較して加工トルクが2~3倍。機械の馬力が必要。ワークのクランプも必要。ボール盤は適さない。
・被加工材は展延性のある材料限定。炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等が適する。鋳鉄、HRC40以上の高硬度鋼は適さない。
・切削タップと比較して端面のかえりが大きい。タップ加工前に面取りが必要。
・切削タップと比較してシビアな下穴径管理費が必要。

解説動画

ロールタップとは【YAMAWA】

タップにありがちな悩みは転造タップで解決!【なんとか重工】

ブラザー「S1000X1」でM3(SUS304)、M8(SS400)、M12(S50C)を転造タップ加工。

ロールタップでいろいろな材質にタップをたててみました【drill brothers】

ボール盤でM8(鉄、アルミ、真鍮、ステンレス)を転造タップ加工。

各メーカー製品の特徴

A-XPF【OSG】

ラインナップ

M1~M24

特長

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TC-W-TF【田野井】

ラインナップ

M3~M12

特長

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ロールタップシリーズ【YAMAWA】

ラインナップ

M1~M20

特長

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盛上げタップ【不二越】

ラインナップ

M3~M16

特長

形状はねじ山盛上げ部にマージンレスを採用。接触面積が小さく摩擦抵抗が低減。油溝形状ZTフルートにより、横形マシニングセンタでも高い潤滑性能を発揮。

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転造タップの下穴加工

高精度な下穴を加工するには、ハイスドリルよりも高精度な超硬ドリル(バニシング刃付など)が適している。

ロールタップ下穴用ストライクドリル【ダイジェット工業】

ラインナップ

M1~M12下穴用

特徴

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転造タップ用NVドリル【ニチアロイ】

ラインナップ

M1.4~M12下穴用

特徴

NV段付き(面取り刃付)
加工精度 1級ネジ下穴用
高精度で安定した下穴加工
面取りも同時加工
寸法:M1.4~M12用

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転造タップの面取り加工

転造タップのデメリットとして端面のかえりが大きいため、かえりの発生を防ぐためにはタップ加工前に面取り(60°が最適)が必要。
モノタロウ:「リーディングドリル 60°」の検索結果

参考:技術の玉手箱 / 溝なしタップの面取り【OSG】

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