超超微粒子超硬合金とは
超超微粒子超硬合金とはJIS規格で定義された規格ではなく、メーカー独自の呼称。
例えば住友電工ハードメタル株式会社では、WC粒径0.5μmの超硬合金を超超微粒と呼称している。
JIS規格
「JIS B 4054:2020 摩耗工具用超硬合金の材種選択基準」によると、超硬合金はWC粒度で4種類(超微粒~超粗粒)に分類される。
超微粒(F)=タングステン粒度1.0μm未満
中粒(M)=タングステン粒度1.0μm以上~2.5μm未満
粗粒(C)=タングステン粒度2.5μm以上~5.0μm未満
超粗粒(U)=タングステン粒度5μm以上
使用分類記号
使用分類記号では、超微粒子超硬合金は「Z種」に分類される。
各メーカーの表記
超超微粒子合金はJIS規格にも使用分類記号にも存在しない。各メーカー独自の呼称である。メーカーの表記を確認すると、粒度1.0μm未満の材種を「微粒」「超微粒」「超超微粒」「ナノ微粒」などと細分化している。
・住友電工ハードメタル株式会社の特性表
超超微粒=粒径0.5μm
超微粒=粒径0.7μm
微粒=粒径1.0μm~1.2μm
・日本ハードメタル株式会社の特性表
超微粒=粒径0.3μm~0.5μm
微粒=粒径0.7μm
その他メーカーの超々微粒子超硬合金
・超々微粒子超硬合金「SFシリーズ」【日本タングステン株式会社】
・ナノ微粒超硬合金「フジロイ FS06」【冨士ダイス株式会社】
タングステン粒度の影響
タングステンの粒度が大きければ、靭性が高くなり衝撃性が強くなるが、硬度は低くなる。
タングステンの粒度が細かくなれば、高い抗折力と硬度を得られ、よりシャープエッジな刃先を実現し、耐摩耗性が向上するが、破壊靭性は弱くなる。