フラットドリルとは?
フラットドリルとは、先端角180°のドリル。
主に座ぐり加工に用いられる。
外観はエンドミルに似ているが、正面のみに切れ刃を持つ。
エンドミルのように凸残りが生じず、底面の完全フラット加工が可能。
フラットドリル/汎用ドリル/エンドミルの使い分け
平面への穴あけなら「汎用ドリル」。
非平面の穴あけ加工なら「フラットドリル」。
加工効率は悪いものの汎用的に使用できるのが「ザグリ加工用エンドミル」
フラットドリルのデメリット(汎用ドリルと比較して)
・先端がフラットであるがゆえに、ドリルにかかる軸方向の負荷が大きい。
・ねじれ角が弱いため、切りくず排出性が悪い。
フラットドリルの使い方
傾斜面や、円筒面などの非平面への穴あけが可能。
出口側のバリ抑制にも効果があるため薄板の加工にも効果的。
各メーカー製品の特徴
フラットマルチドリル【住友】
特長
フラットマルチドリルMDF型は独自の高剛性刃型設計により、傾斜面や円筒面へ直接、高能率な穴あけ加工やボルト座など平らな穴底が必要な穴あけ加工、抜けバリの低減を実現し、加工時間短縮、工程集約により、部品加工の低コスト化に貢献します。
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KDZ【京セラ】
特長
座ぐり加工など多様な加工に対応
独自の新コーティング MEGACOAT NANO EX で、耐摩耗性と耐欠損性を両立
独自形状の大きなチップポケットで優れた切りくず排出性
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ザグリボーラー ZPB【MOLDINO】
特長
・先端角が180°(フラット)により、平面だけでなく傾斜面に座ぐり穴加工できます。
・特殊刃形により、切れ刃の欠けやチッピングを軽減し安定した加工ができます。
・特殊溝形状により、切りくずの排出がスムーズなため、切りくずによるトラブルを解消します。
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MFE【三菱】
特長
1. 新Zシンニングにより、切りくず排出スペースを拡大し、低スラストを実現。
2. 異なる曲率のRを組み合わせた溝形状により、高い切りくず処理性を確保。
3. 切れ刃コーナ部にフラットランドを設け、切れ刃強度を保持。
4. 独自の表面平滑化処理により、切削抵抗を低減し位置精度の向上を実現。
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タイラードリル【ダイジェット工業】
特長
・傾斜面や円筒面への穴あけ・座ぐり加工や交差穴加工において、下穴なしでも安定した加工が可能、バリの発生も少ない。
・エンドミルより広い溝形状のため切り粉処理性に優れ、また先端角は180°完全フラットのためエンドミルでの座ぐり加工に比べ、安定かつ高精度な加工が可能。
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無限フラットドリル MFD【日進工具】
特長
従来のドリルでは困難な斜面や曲面への穴あけが容易になる無限フラットドリル。サイズに合わせて開発したシンニング形状(スパイラルシンニング(φ1~φ2.9)/トリプルシンニング(φ3~φ6))と、ダブルマージン(φ2.6以上)、ロングネック形状の採用で、安定した精度の良い穴あけを実現します。
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参考リンク
・フラットドリルと先端角ありのドリル どのように使い分ければよいか?(OSG加工相談FAQ)
・フラットな穴底加工の品質安定化とコスト削減を両立する方法(MiSUMi技術情報)
・Q&AアクアドリルEXフラット(NACHI)