不等分割・不等リードエンドミルとは

不等分割・不等リードエンドミルとは

不等リード・不等分割とは、刃のリード角(ねじれ角)と刃の分割配置を不等にして、防振効果を高めたエンドミル。防振エンドミルとも呼ばれ、ビビリ対策として採用される。

不等分割・不等リードエンドミルのメリット

・不等分割:底刃の分割を不等にすることで、振動の位相をずらし周期性を打ち消す。4枚刃の不等刃が一般的(2枚刃や3枚刃の場合は、不等刃にしてしまうと左右のバランスが悪くなってしまい、高速で回転させたときに、振れが出てしまう場合がある)。
・不等リード:同一エンドミルの各切れ刃のねじれ角度を変化させることにより、振動の位相をずらしビビリ振動の抑制が期待できる。

不等分割・不等リードエンドミルのデメリット

・チップポケット(溝)が通常の等刃より小さい箇所があるため、切り屑排出が悪い。
・通常のエンドミルに比べて再研磨に手間がかかる(再研磨価格が高い)。

参考動画

参考リンク

不等リード 不等分割のメリット【ミスミ】
不等刃と不等リードはどう違うの?再研磨屋が解説【ツールリメイク】
不等分割エンドミルと不等リードエンドミルの違いとは?【再研磨.COM】
XALシリーズ【ミスミ】

「タテガタ」「ヨコガタ」漢字表記の正解は?【雑学】

マシニングセンター「タテガタ」「ヨコガタ」漢字表記の正解は「立形」「横形」。

JISB0105:2012 工作機械―名称に関する用語には、マシニングセンタを「主として回転工具を使用し,フライス削り,中ぐり,穴あけ及びねじ立てを含む複数の切削加工ができ,かつ,加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械。注記機械の構造によって,主軸が水平の横形,及び垂直の立て形がある。 」と定義している。
工作機械大手のマザック、DMG、オークマのHPの表記も「立形マシニングセンタ」、「横型マシニングセンタ」。
※立型、縦形、縦型、竪形、竪型、横型、は誤り。

転造タップとは

転造タップとは

転造タップとは、めねじを加工する工具。
切削タップに対して「非切削タップ」、転造(rolling)から「ロールタップ」、塑性加工であることから「盛上げタップ」、切りくず排出用の溝が不要なことから「溝なしタップ」とも呼ばれる。

転造タップのメリット

・切りくずが発生しない(切りくずトラブルがない)。特に切りくずが伸びやすいSS材、SUS材、アルミ材に有効。
・心厚が大きいため折れにくい。特に折損トラブルの多い小径タップでメリット大きい。
・刃欠けしないため長寿命(切削タップの2~3倍)
・高速加工が可能で加工時間が短縮
・めねじの表面粗さが良好
・めねじ強度が高い

転造タップのデメリット

・切削タップと比較して加工トルクが2~3倍。機械の馬力が必要。
・被加工材は展延性のある材料限定。炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム等が適する。鋳鉄、HRC40以上の高硬度鋼は適さない。
・切削タップと比較してシビアな下穴径管理が必要。例えばM6×1のロールタップ加工では、公差±0.025mm程度の下穴管理が求められる(切削タップの場合は、公差±0.1mm程度)。
・切削タップと比較して端面のかえりが大きい。タップ加工前に面取りが必要。

転造タップの下穴径

転造タップの形状や被加工材によってねじの盛り上がり方が異なるため、各メーカーで推奨の下穴径が異なる。
下穴径一覧表【OSG】
転造タップの下穴径表【田野井】
下穴径・素材径表【YAMAWA】
総合カタログ【不二越】

切削タップ、転造タップ、スレッドミルの使い分け

めねじ加工する工具の使い分け。
切削タップが最も一般的で汎用的。
転造タップは切りくずトラブルへの対策に有効。高寿命・高速加工が可能で、自動加工・量産向き。
スレッドミルは加工負荷が低いため、高硬度材加工や太径加工に有効。価格と加工速度がネック。

切削タップ 転造タップ スレッドミル
加工機 ボール盤
旋盤
マシニング
旋盤
マシニング
マシニング
向いているタップ径 汎用的 細径 太径
向いている被削材 汎用的 SS材、SUS材、アルミ材 高硬度材
加工速度
寿命
切りくずトラブル ◎なし
下穴管理 ×重要
加工面
価格
加工負荷(トルク) ×高い ◎低い

解説動画

ロールタップとは【YAMAWA】

タップにありがちな悩みは転造タップで解決!【なんとか重工】

ブラザー「S1000X1」でM3(SUS304)、M8(SS400)、M12(S50C)を転造タップ加工。

ロールタップでいろいろな材質にタップをたててみました【drill brothers】

ボール盤でM8(鉄、アルミ、真鍮、ステンレス)を転造タップ加工。

各メーカー製品の特徴

ロールタップシリーズ【YAMAWA】

→製品情報詳細【カタログ】

盛上げタップ【不二越】


→製品情報詳細【カタログ】

転造タップの下穴加工

高精度な下穴を加工するには、ハイスドリルよりも高精度な超硬ドリル(バニシング刃付など)が適している。

ロールタップ下穴用ストライクドリル【ダイジェット工業】


→製品情報詳細【カタログ】

転造タップ用NVドリル【ニチアロイ】


→製品情報詳細【カタログ】

転造タップの面取り加工

転造タップのデメリットとして端面のかえりが大きいため、かえりの発生を防ぐためにはタップ加工前に面取り(60°が最適)が必要。

参考
技術の玉手箱 / 溝なしタップの面取り【OSG】
ロールタップ加工めねじ入口のかえり・ばり対策【YAMAWA】

参考リンク

ロールタップの特長と留意点【YAMAWA】
ロールタップの使用法-1【YAMAWA】
ロールタップの使用法-2【YAMAWA】
ロールタップの使用法-3【YAMAWA】
ロールタップで折損解決【YAMAWA】
ロールタップの下穴径算出について【YAMAWA】
転造タップとは【OSG】
盛上げタップ(非切削タップ)【モノタロウ】
転造タップ採用におけるコストダウンの可能性について【三栄製作所】
タフレットシリーズ特徴【不二越】
転造タップ(転造タップ)の加工手順【OSG】
[切削工具]スレッドミルとは?タップ加工との違いを解説【生産技術の森】

価格改定情報【リンク集】

超硬工具メーカー(切削工具)の価格改定情報まとめ

三菱マテリアル株式会社

弊社DIAEDGE製品の国内価格改定について【三菱】
実施時期:2022年10月1日受注分~

住友電工ハードメタル株式会社

超硬工具製品の価格改定について【住友】
実施時期:2018年4月1日受注分~
切削工具製品の価格改定について【住友】
実施時期:2022年7月1日受注分~
ハードメタル事業部の製品価格改定について【住友】
実施時期:2024年7月1日受注分~

京セラ株式会社

切削工具 価格改定のご案内【京セラ】
実施時期:2024年9月30日受注分~

株式会社タンガロイ

価格改定のご案内【タンガロイ】
実施時期:2022年10月1日受注分~
価格改定のご案内【タンガロイ】
実施時期:2024年10月1日受注分~

オーエスジー株式会社

一部製品 価格改定のご案内【OSG】
実施時期:2022年8月22日受注分~
価格改定のご案内【OSG】
実施時期:2024年11月18日受注分~

株式会社MOLDINO

価格改定のご連絡【MOLDINO】
実施時期:2024年12月2日受注分~
価格改定のご連絡【MOLDINO】
実施時期:2022年10月3日受注分~

株式会社不二越

工具価格改定のご案内【不二越】
実施時期:2022年8月1日出荷分~
ハイスドリル一部製品の価格改定のご案内【不二越】
実施時期:2023年2月1日出荷分~
工具価格改定のご案内【不二越】
実施時期:2023年8月1日出荷分~
工具価格改定のご案内【不二越】
実施時期:2025年7月1日出荷分~

日進工具株式会社

価格改定のご案内【日進工具】
実施時期:2018年11月1日受注分~
価格改定のご案内【日進工具】
実施時期:2022年11月1日受注分~

ダイジェット工業株式会社

価格改定のお知らせ【ダイジェット工業】
実施時期:2025年4月1日受注分~

CAD(DXF・STEP)データ検索【リンク集】

切削工具データとは

切削工具データ(形状・寸法・性能)の標準化が進められている。
「ISO13399(切削工具データの表現および交換)」によって、その仕様が定義されており、CAD/CAM、シミュレーション、工具管理システム(TMS)などとの連携が可能となっている。これに伴い、切削工具メーカーによるデータ提供も進んでいる。

切削工具メーカーの工具CADデータ検索ページ

三菱マテリアル株式会社
住友電工ハードメタル株式会社
京セラ株式会社
オーエスジー株式会社
株式会社MOLDINO
ダイジェット工業株式会社

メーカー横断の工具検索サービス

ToolsUnited
ToolsUnited(ツールズユナイティッド)は、世界45社の切削工具メーカーより合計110万点以上の切削工具データの掲載している。
工具管理システム(TMS)やCAMへの工具登録を支援、規格に準拠した図面データ3D STEP,2D DXFファイルを提供可能。
MachiningCloud
MachiningCloud(マシニングクラウド)は、各工具メーカーが提供する工具データをプールしている工具クラウドサービス。
ミスミ
ミスミ品・メーカー品の 2D・3D 工具CADデータをメーカー横断でダウンロードが可能。
工具の形状確認や加工の干渉確認にご活用ください。

切削工具にかかわる規格

■ DIN規格(Deutsches Institut für Normung)
・ドイツの国家規格。
・主にヨーロッパ圏で使用される。
・切削工具では、寸法・形状・シャンクなどを詳細に規定。
・代表例:DIN 338(ストレートシャンクドリル)、DIN 371/376(タップ)、DIN 1835(シャンク形状)など。

■ ISO規格(International Organization for Standardization)
・国際標準化機構による世界共通規格。
・国際的な互換性と流通を目的とする。
・切削工具では、材質分類、用語定義、デジタルデータ交換などを規定。
・代表例:ISO 513(材質分類)、ISO 13399(工具データ交換)、ISO 3002(切削用語)など。

■ JIS規格(Japanese Industrial Standards)
・日本の国家規格。
・国内製造・流通・教育に対応。
・多くはISOやDINを参考にして制定されている。
・代表例:JIS B 0170(切削工具用語)、JIS B 4053(材質分類)、JIS B 4301〜4456(各種工具寸法)など。

■ DIN・ISO・JISの関係性
・DINはドイツ国内向けだが、EU圏でも広く使われる。
・ISOは国際的な基準で、JISやDINの元になることが多い。
・JISは日本国内向けだが、ISO準拠の規格が多い。
・同一工具でも、DIN・ISO・JISで寸法や呼び方が異なる場合がある。

参考リンク

「ISO13399」対応によるメリットとは?【三菱マテリアル】
三菱マテリアルのISO13399対応【三菱マテリアル】
関連リンク集(Platformer)【三菱マテリアル】
ISO 13399に準拠した切削工具パラメータ【SANDVIK】
切削工具の寸法記号について【ミスミ】
製造工程を簡略化! 切削工具のデータベースを提供するCIMSOURCE Japan(シムソースジャパン)【製造現場ドットコム】